Think You「鍼灸」

〜 あなた想う ゆえに我あり 〜 

命が生まれる事はとても当たり前で、とても簡単な事だと思っていた。
でも命が尊くて、儚くて、そして美しいということを、
不妊鍼灸を通じてたくさんの人に教えてもらった。 
私にはそれを伝える義務がある。そして支えるパワーもある。
女性が笑顔になれば世界は変わると本気で信じている。 

命の奇跡


宝鍼灸を通して、私自身の人生観さえも変わってしまうような出逢いを何度もしました。

その中でも影響が大きかった女性。
それは【早期閉経(早期卵巣機能不全)】の患者さんでした。
彼女はまだ30代前半の見た目は可愛らしい女性です。

早期閉経(早期卵巣機能不全)とは、20代、30代で内分泌的に閉経期と同じ状態となって、排卵が難しく無月経となり、不妊の原因にもなる病態です。
43歳未満での閉経が早期閉経と呼ばれ最近増えています。
20代、30代で閉経。
みなさんには考えられるでしょうか?

最近、AMH アンチミューラリアンホルモンという発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンが注目されています。血液検査でわかるこの値は、卵巣内にどれぐらい卵の数が残っているか、つまり卵巣予備能を示していると言われています。この数値が低いと、卵巣に残りの卵子が少ないということです。



私の患者さんは、自然妊娠に至らず、不妊かなと思い検査したらAMHは0.1未満で早期閉経だろうと言われ、とにかく急いで、体外受精に進んだ方がいます。

しかし、採卵できてもフラグメントが高かったり、分割がうまく進まなかったり、変性卵で体外受精すらなかなか進むことができません。原因はわかりません。
先天性でもともと卵子が少ないということもあるそうですが、そういう人はあまりいないそうで、ほとんどの人がなにもわからぬまま早期閉経だと知るのです。

彼女は、迫る閉経に焦る気持ちや、
自分と旦那さんの赤ちゃんが欲しいという切実な思い、思い通りに進まない体外受精、金銭的な問題と、夫婦間の話し合い、まだ30代なのになぜ私が?という溢れる涙を流しながら話してくれました。
 

 


当たり前のように、 私たちは月経を迎え
当たり前のように、 排卵を繰り返し
当たり前のように、 いつか歳をとったら 閉経を迎える。

でも全て
当たり前ではないです。
卵巣があること、
卵子があること、
卵管があること、
子宮があること、
性行為ができて、
妊娠すること。

ものすごい奇跡です。
 


自ら経験してわかった命の奇跡

年の年明け、愛する旦那さんとの間に小さな命を授かりました。
不妊治療をしている女性と関わった事で、妊娠できるということが奇跡だと心の底から理解できていました。

しかし10週と3日で小さな命は天国に行ってしまいました。
「子宮内胎児死亡」

そして次の日には「子宮内容物除去手術」という中絶と同じ手術をしました。

多くの患者さんが口を揃えて言う、「なんで私が?」と思いました。周りの友達がいとも簡単に妊娠して出産しているように見えたのに、私の赤ちゃんは命をつなぐことができませんでした。「初期の流産は赤ちゃんの先天的な異常だから、あなたのせいじゃないよ。と言われました。」


でも私はたくさん自分を責めました。
「私がもっとこうすれば」「あの時こうしてたら」
そんな事を考えてたくさん涙を流しました。

でもその時に本当の意味で
不妊治療をする患者さんの気持ちがわかりました。


答えの無い答えを探し、
自問自答を繰り返し、
自分を責める。
何度も何度もチャレンジして、
悲しさを覚え、
どこにもぶつけることのできない感情を体に溜め込む。
命の奇跡を知っても 奇跡すら起こってくれないむなしさ。


私は流産の経験で、その本当の意味をしりました。
そして私自身がこの世に生まれて、今日まで生きて来られた事がどれほど幸せで、どれほどの奇跡を何度も起こしてきたんだろう。

そして両親にとって私という存在がいかに
大切な宝物であったのだろうということに気付くことができました。

  命は奇跡です。
 
不妊治療をして多くの人は この事実に気付きます。
流産や死産を経験した人も この事実に気付きます。

命を生み、つなぐことは
容易いことではありません。
命というものを 真剣に考えた者だけが見える世界があります。

それは、
どんな苦しみや哀しみが押し寄せようと、
この世界は素晴らしいと思えた時、
見えているその世界。